こんにちは。
2018年が終わる前に書いてしまいたい記事です、これ。
この話題に触れるタイミングはこれがラストになるような気がするし。
僕が初めて自分のお金でCDを買ったバンド、Aqua Timezの解散についてです。
中学生のころ。
彼らの「うたい去りし花」というアルバムを買った。
ばかみたいに聴きまくった。カセットの自体なら確実にテープが切れていただろうし、CDケースも歌詞カードもボロボロになっていた。周りがホルモンの「F」を教室の後ろの方で大合唱しているのを横目に。今となっては、リアルタイムでホルモンのかっこよさに気づかない中学生なんて中学生やめちまえ、とも思うのだが、当時はとにかくAqua Timezばかり聴いていた。まあ他の良い音楽を知る方法自体よくわかっていなかったし、思い入れが強かったんだろうよ。
淋しさを何かで埋めるのではなく、その淋しさで大切な何かをうたうのです。
宣伝用だろうか、アルバムにはこんなキャッチフレーズがついていて、帯に書かれたそれは当時のひねくれた中二の心を打ち抜いていた。
これが多分一番有名な曲だと思う。「うたい去りし花」に収録されている。
でも、個人的には彼らの曲の良さってこういう感じじゃないと、思うんだよなあ。
[LIVE Carpe Diem Tour] Aqua Timez - Aoi Sora - YouTube
初期からある曲なんだけど。こんな暗いマイナー調で、歌詞も基本的にすごいネガティブ。でもただ後ろめたいんじゃなくて、サビでの開放感とか、悲しみの果てに灯る光みたいな美しさがある。
こんなところにどんどん惹かれていった。
初期はもうこんな感じの雰囲気の曲ばかりだったし、根強いファンはここに魅力を感じている人が多かったはず。正直ライブのときのボーカル太志の歌唱なんてファンでも擁護できないものだった(ここ何年かはボイトレして幾分良くなっていた)が、それを上回る言葉のちからが大きかった。
Aqua Timez 『希望の咲く丘から PVフル』 - YouTube
ミクスチャーロック全盛の時代。ラップ調で自然と歌詞量が多くなる。言葉のちからが重要なバンドにとっては追い風になっていたのかもしれない。
でも彼らの場合ヒットしたきっかけは悲しさの表現とは関係ないところからだから、なんとももどかしい。
Aqua Timez 『等身大のラブソング PVフル』 - YouTube
有線やらで流れるうちに、じわじわと口コミが広がり発売から半年後オリコンチャート一位を獲得した。
どうやら初めは、ミニアルバムのうちのちょっと毛色の違う曲も入れてみるか、的な一曲だったらしい。メンバーもこの曲がヒットするとは考えていなかったらしい。
結果的にライブでも定番曲となっているけどね。
この曲もだし、強力なタイアップがあった「虹」も、ポジティブな曲だった。
このような、バンドが武器にしてきたものとは違う部分が取り沙汰されてしまうというのは、結局はバンドにとって良いこととは言えないな、って思ってしまう。事実、解散にあたってのコメントで、自分たちの実力以上に名前が売れてしまったことへの悔しさも語られている。
これに関して、ぼくは努力不足だ!とか無粋なことをいうつもりはない。
実際彼らの努力は伝わってきた。2012年あたりからだろうか、バンドは少しづつ変わっていった。
ただ、方向性は間違っていたとおもう。
ボイトレは確実に効果が出ていた。特に5枚目あたりから。まあそれでもボーカリスト全体で見ればまだまだではあったけれど。
編曲もよかった。メンバーで何度も方向性について話し合われたらしく、以降よりポップに仕上げられる曲が増えていった。
Aqua Timez 『ヒナユメMV+エルフの涙TV SPOT』 - YouTube
正直この変化は、僕にとってはあまり嬉しいものではなかった。もちろん全てではないし、確かめるためにライブにも足を運んだ。でも、一番はじめに感じた彼らの魅力は感じなかった。
うーん。たとえ拙くても、ミクスチャーロックにありったけ悲しみ後悔切なさを乗っけて一滴の希望を見出す姿がかっこよかったんだけどなあ。行ったライブではメンバー楽器置いてアカペラとかしてたしな。いろいろ試してるのは分かるけど、ミュージシャンが商売道具置いてどうするんだよ、、、と。
どんどんポップで明るい内容を歌うようになり、淋しさで大切な何かをうたうことから離れていったように感じたし、だからこそ僕も自然と彼らから離れていった。
もちろん自分の音楽の嗜好が変わっていったのもあるけれど。
みたいなことを、解散発表に対して「なんで解散するの~ライブ行けば良かった~( ; ; )」って言ってる人を見かけて考えてたのを思い出しました。
- アーティスト: Aqua Timez
- 出版社/メーカー: ERJ(SME)(M)
- 発売日: 2009/03/11
- メディア: CD
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