近況

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特に書きたいテーマがあるわけではない。言ってみれば僕の近況報告のようなものだ。

今は2019/07/31、ちょうど17時になったところだ。最寄り駅にあるカフェで、スマホでこれを書いている。何日か前に梅雨明けが発表されて、外は蒸し暑い。35度くらいなっているはずだ。南風がこれでもかというほどの湿気を含んで纏わりつくように流れている。

カフェの中は空調が整っていて、隣では職場の愚痴を吐きながらパンケーキをつつく女性2人組、向こうの大学生カップルはパソコンでレポートを書いている。「夏バテ」プレイリストを聴きながらアイスコーヒーを飲んで、そんな夏の昼下がりの風景を眺めている。

この時間帯に、こんなにゆっくり過ごしているのは久しぶりだ。教育関係の仕事、もとい塾の先生なんてやってたらここからが本番みたいなもんで、日中の事務作業を終えて授業の準備に取り掛かるころだ。今日授業する範囲のプリントを用意し、宿題用のプリントを出力し、他の教科での生徒たちの様子の記録を確認し、どんな話をしようかネタを整理し、場合によっては補習対応もする。

テキストの内容を理解させて覚えさせて試験で良い点を取らせるのが第一義的な仕事ではあるが、実はそれと同じくらい、時にはそれ以上に重要になることがある。気持ち作りだ。

おそらくこれを読んでくれる人のなかには生徒として塾に通っている人もいるだろうから、せっかくだから君たちに対しても言っておきたいのだが、週1回や2回、たったの数時間塾で授業を受けただけで成績など上がるわけがない。それだけで上がるならはじめから塾に行く必要がない。

そこをどうにかするのがお前らの仕事だろうと言われそうだが、そこでこちらが心血を注ぐのが、気持ち作りだ。モチベーションを上げるために、コミュニケーションを取って、褒めて、褒めて、自宅でも頑張ろう!という姿勢をとらせる。あるいは、勉強の意義を伝えて、やらなければならない危機感を持たせる。いい説明解説だけしても、それが無ければ成績は伸びづらい。そんなわけで、事前にいろいろネタを仕込むわけだ。

おい!そこの中高生の君!宿題はお盆前に終わらせなさい!夏休みはお盆までです!それ以降は無いです!「無」です!

と、まあそんなかんじで、出勤の日の夕方ころはパタパタと過ごしている。

 

 

水曜は普通なら出勤日だが、今日はお休みだ。夏期講習で普段と授業日が違う。

休日を過ごし方は、大体決まっている。一日中ぶっ続けでやる。近所の図書館にカンヅメになる。教材研究だ。

教材研究とは、授業をするために必要な準備あれこれの総称だ。導入の内容なら解説の順番や強調したいところ、確実に覚えたいところの整理だとか、問題演習なら答えはもちろんのこと解き方の解説を練り、類題が◯◯校の過去問で出題されている、なんてことをメモしたり、板書をまとめたり、そんなものだ。

勤務中にそんなことをしている余裕はない。自分の時間を使って、だ。中学生を相手にしているので、3学年ぶんを休日のうちに全部教研する。これがめちゃくちゃに時間がかかり、こだわり出すと際限が無いのはお分かりいただけるだろう。

僕は新卒1年目なので、それまでのストックが無いから毎週やる。そうしないと回らない。授業が途中で止まってしまった時の血の気の引き方はえげつない。教育実習で大学生の初々しい先生がてんやわんやして授業するのを見た経験は誰にでもあると思うけど、その時の教壇に立つ側の焦り方は実際に経験した人にしか分からないと思う。まあ僕は学校教育には興味なかったから教員免許持ってないけど。

で、いまはまさに夏期講習の真っ只中にいる。朝から晩まで、ぶっ続けで授業する。昼飯、晩飯を食う暇などないから、となりの教室の先生は夏期講習ダイエットなんて言ってる。

普段より授業が多い分教材研究の量も多いのだけれど、講習が始まる前にほぼみんな終わらせてしまったのだ。ほんとうに、過去の自分のことを褒めてあげたい。だから、いまゆっくりした時間を過ごすことが出来ている。書きはじめて約1600文字、だいたい40分くらいかかっている。これが他の人と比べて速いのか遅いのかは分からないけれど。

午前中は書類やコピーした模試の過去問を整理して、部屋の掃除と洗濯をした。晴れているので洗濯物はあっという間に乾いた。その後は出かけて、本屋で私立の過去問と参考書を買った。早◯田と慶◯系列の高校のやつ。ちょっと遅めの昼飯は家系ラーメンの大盛りで、日用品の買い物をちょっとしたあとカフェに入り、今に至る。

 

夢なんて大層なものではないけれど、こういう仕事をしている以上、自分の授業を受けている生徒は合格して欲しいし、そのためにもっと上手い授業をしたい。これからもっと忙しくなっていくだろうけれど、いまはそう思っている。

高校とか大学にいた時とは中身は違うけれど、何かに打ち込む気持ち、その「色」みたいなものはあまり変わっていないんじゃないかな。

 

 

例えば、今でも残っている心象風景があって、それは実際に見た景色がもとになっているのだけれど、それがふとした瞬間に過ぎるときがある。その時、僕は誰かに救って貰っているような気がしている。

春のよく晴れた青空を背景にどこまでも高く伸びる電波塔。その下で静かに泳ぐシーラカンス。広げた両の手から何かがこぼれ落ちている。そして暗闇のなかでぼやけた光。

 

 

話が逸れた。

そんなわけで、僕の生活はだいたいこんな感じだ。お盆はちゃんとお休みをもらえるから、帰省するつもりだ。懐かしい顔にも会えるといいな。関東にいる奴の中にも会いたい人がいる。

会いたいな!お前に言っているんだぞ!

 

教材研究も進めるけどね。

 

 

p.s. このブログは1時間で書き終えた。自分にしては速い気がする。

 

 

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