辿り着けない

高校の同級生が結婚したらしい。

インスタのストーリーにその様子を載せてたのを友達がスクショしてラインで送りつけて来た。

 


同級生といってもたまたまクラスが一緒ってだけで、その枠組みが取り払われたら赤の他人だ。そんな同年代の赤の他人がライフステージをひとつ更新した。遠い話だ。なにもかも。

 


私自身は、特定の相手は居ないけれど、結婚願望はぼんやりと持ってた。

ふつうに働いてふつうにデートをして。ふつうの同棲、ふつうのセックス、ふつうの夜のコンビニ、ふつうの子供が産まれて、育てて、なんてことを思ってた。

ずっとその相手の顔は空白のままだし、どこか、例えるなら別の島の、違う世界の話として、あるいは時間的に隔絶されている話として考えてた。

 


でも、頼んでもないのに時間はどんどん流れ、海は干上がって地続きになろうとしている。

妄想が現実に繋がろうとしている。それもかなり歪な形で。

結婚という言葉が、現実味を帯びるようになってしまった。

 


結婚なんていう、望遠鏡を使って眺めてた土地に誰かは既に船を寄せている。

 


自分の足元。泥沼?

あまりにも頼りないように感じる。

雲行きも怪しい。

 

 

 

 


どこにも辿り着けないような夜ってありますよね〜〜