全て知っていた。悪意のない分、余計に居心地が悪かった。すっかり溶けてたはずのかき氷が、胃の中で再び凍りついた。
君の言葉はいつだって氷点下だ。
その人の話はよく聞いていた。考えごとをするときに決まって右親指の爪を眺める癖も、あなたが髪を撫でると喜んでくれることも、全部君から知った。その度に何度も私を凍てつかせた。
そんな私を知ってか知らずか、真夏の日差しは無情に突き刺し続ける。
ただ、あつかった。
もう一つ頼んだブルーハワイは、あっけないほど容易く砕け溶けていった。
冷たいものばかりだと身体に毒だよ、と君は言った。
その通りだ、と私は思った。
ただ、あつかった。私が熱を持ちすぎていた。倒れてしまいそうなほどに、焦げ付くほどに。内側から焼き払われるかのようだった。
苦しかった。
でも、いくら日に焼けて皮膚がめくれても、どんな言葉が私を悩ませても、私は傷ついていたのではない。
あつかっただけだ。
あつかったから君を欲していただけだ。